ダブルスタンダードと境界。。。エレベータ問題と医療との関係。。。
昨今、ダブルスタンダードによる事故・事件の発生が目立っている。。。
エレベーターでの事故 JR西日本での脱線事故および雪印事件とその背後 。。。 そして、医療関連の事故。。。 エレベータでの事故は、安全性と入札価格のダブルスタンダードであり、 JR西日本での脱線事故は、安全性と速度(コスト)とのダブルスタンダードであり、 医療関連の事故は、安全性とコストダウンのダブルスタンダードである。 医療関連、単年度会計を主体とする高額医療機器の導入については、エレベータの事故に極めて近い状況にあると言わざるを得ない。 導入時にもそうであるが、保守点検を含めた維持管理費というのは、昨今の病院の統廃合を含めた医療費削減のあおりを食らって、なるべく安くという観点からしか扱われなくなる傾向がある。 それでも、医療機器として直結している機械系は、仕様書に明記しなくても、安全性を十分担保しているし、企業側も、人命に関与しているという認識から、十分な配慮をされておられるように感じられる。 しかしながら、直接的に人命に関与しない機器、特に、医事会計システムを含めた医療情報システムは、導入価格および維持管理費が削減されている場合、間接的な影響に対して非常に対応が鈍くなる傾向が見て取れる。 通常、システム側が担保しなければならないような事象に対しても、導入後、しばらく運用してみて明らかになってくることが多いが、単年度予算系での対応がなされている場合、別途費用が必要とのことで、現場での運用に任されることが多いのが実情である。 「運用で」 この言葉は、システムエンジニアおよび開発系での最後の逃げ口上として有名なようであるが、単一の「運用で」のみでは、死亡事故に繋がらないようなことでも、複数の「運用で」にて、間接的に死亡事故に繋がることがある。 病院のシステムとしては、そのような問題を未然に検出して、システムの改善に導かねばならないところであるが、先立つものが無い場合、実質現場の末端の医療関係者が「運用で」カバーしなければならない事態になっている。 トップダウン側が、コスト・入札価格を主として要請してくるならば、ボトムアップ側は安全性を主としてフィードバックしていくことになる。 両者の境界にて、通常は、中間管理職が整合性を整えていくべき所、直接的な問題が浮上して来にくい所では、末端へと境界がシフトしていく。 このことは、小さな政府が、実質責任を末端(現場)にシフトしていっていることとも、関連している。 ようするに、不景気→予算がない→自己責任の重視と民営化へのシフトという図式である。 安全性が第一義的に考えられる領域については、強制的に安全性のレベルを保つような政策を現場レベルとタイアップして打ち出していくべきなのであるが、今の政府に対して、そのようなことを求めることが可能なのであろうか? 「運用で」という言葉は、現場では、末端に対する過酷な労働条件の悪化へと繋がっていく。。。
by kisugi_jinen
| 2006-06-14 23:33
| つれづれ。。。
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