「わたし」という存在について。。。
前回までの投稿は、ひょんなことから、このブログの2本柱であるところの「情」を排除して記述してきた。
ようするに「わたし」の交換不可能性とはいったい何なのか?
ということについてである。

めちゃくちゃわかりにくく書いているかもしれないので、分かりやすく書いてみる。

科学的な「交換可能性(客観性)」は、早い話、「平均値」である。
それに対して「交換不可能性」とは、「差異」である。

何のことはない、「わたし」=「平均」+「差」と言う話を、延々続けてきただけである。

すなわち、個々の人々の身長が、平均身長+差という式で表されるようなものである。

科学は「平均値」というものに対して、経験的側面に適合し、かつ、理論的に説明可能な数式を当てはめることで、予測性という大きな力を誇示出来るようになった。そうして、「差」に相当する部分に対して、詳しく調べていくことで、近似解としての旧の理論を包含する新の理論を構築することが出来たといえる。

で、最後に残された「差」という領域が、量子力学の領域である。

この領域における量子の確率的な振る舞いは、量子熱力学を介してブラウン運動などのランダム性の説明や、エントロピーの説明に寄与していくのだろう。

で、そういったことこそが、逆説的に、「わたし」=「平均」+「差」の「差」の部分の最後の最後まで科学的に説明不可能な部分に相当するであろう。

この領域は、ある意味、トンデモの格好の餌食になっている。

なぜなら、「差」の部分は、哲学的な「差異・差延・脱構築」の領域に重なり合うし、科学的に説明不可能で、かつ、実験時には切り捨てられる「ノイズ」に相当するからである。

科学が最終的に切り捨てるべきものが、「主観」と「ノイズ」であるならば、「差」として残された「わたし」の一部は、科学的に「ノイズ」として処理される部分と、何らかの関連性を持っていてしかるべきであろうと言うことは、誰でも気づきうることだと思われる。

そうして、両者を結びつけるものは、科学的に説明可能な因果関係ではなく、ユングの共時性、非因果的連関にならざるを得ない。

このような言葉には、オカルティズム、トンデモの香りを感じる人がいるかもしれないが、ユングの伝記本(「ユング-現代の神話」 M・L・フランツ/高橋巖訳 、紀伊国屋書店)などを読めば、どれだけ真剣に臨もうとしていたかが分かるであろう。

逆説的に言えば、「差」の部分がトンデモの餌食であるように、科学・宗教・哲学の狭間でもあるわけである。

そうして、その部分にこそ、「わたし」を「わたし」たらしめるものが含まれているというわけである。
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by kisugi_jinen | 2005-12-31 17:04 | 思考。。。 | Trackback | Comments(2)
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Commented by KawazuKiyoshi at 2006-03-30 17:57
詩と音楽と数学は宇宙のハーモニー。
そう思いませんか。
ブラウン運動は魅力的なエニグマですね。
Commented by kisugi_jinen at 2006-03-30 20:37
KawazuKiyoshi様。。。ありがとうございます。。。

立ち止まっては通り過ぎて行く旅人たちの中で
コメントを残してくださる方は少ないので

なんだか、ホッとした気分になります。

そうですよね。。。エニグマ。。。

貴ブログ拝見いたしました。
ふらりと、たちよりたくなるような世界ですね。。。

これからもよろしく。。。
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「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
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