ヱヴァンゲリヲン。。。
思春期において経験し得ていないアニメのため、あまり、多くを語りたくはないのだが、序・破・Qの三作品が地上波で流された後でもあり、個人的な述懐をまとめておく良い機会かもしれない。。。
庵野氏達が作り出す、日本のメカ系・ロボット系のSF系アニメの内面世界で弄(もてあそ)ばれる少年少女達。。。 キリスト教系の世界観や 世界の破滅や 盾と矛の強い・弱い、正義・悪魔、神・使徒・人といった区分すら 単なる背景描写にしか過ぎない。。。 ストーリー展開や 用語の意味や 暗喩・隠喩・引用・パロディーといった議論すら 作り手と鑑賞側の思い入れにしか過ぎない。。。 誤解を恐れずに言うならば、庵野氏と宮崎氏を峻別しうる一点は 「物質から完全に解放された死後の魂」といった概念を 一元論的に排除する方向にあるのか、(ある意味都合よく)二元論的に積極的に織り込む方向にあるのかの違いといって過言ではない。。。 「物質から完全に解放された死後の魂」は、(人格を有する)「エネルギーの塊としての生命体」といった概念とは異なる。「エネルギーの塊」は、そのまま質量エネルギーとして物質と等価に扱いうる以上、「物質から完全に解放された死後の魂」としては扱いえない。 ちなみに宮崎氏の「物質から完全に解放された死後の魂」概念は、風の谷のナウシカ原作内部に記述されている。 庵野氏は、(人格を有する)「エネルギーの塊としての生命体」についても極力扱わない様な設定にし、少年少女達を介しての思考実験を行っている。 物質としての分裂・コピー概念の代表としてのクローンや、統合概念としての融合体や、不老有死ないし不老不死の(使徒を含む)少年少女達をメカ系・ロボット系の終わりのない戦闘内に置き去りにし、考え得る限りの思考パターンをシミュレートしているように見える。 思考実験に対する数多くの反響・レスポンスもまた、さらなる思考実験を生み出しているようだ。。。メカ系・ロボット系の範疇に留まらざるを得ない限り、「物質から完全に解放されうる死後の魂」を描き出すことは一種の禁じ手になるだろう。。。(人格を有する)「エネルギーの塊としての生命体」レベルについては、「心の壁・ATフィールド」の消失という概念にて間接的に表現されている。周囲の物質・生命体との癒合という概念レベルと無矛盾に記述しなければならないという制約のためか、全体への合一は個の消失という二者択一の思考レベルにとどまっている。宮崎氏の「全ニシテ個、個ニシテ全」とは一線を画さざるを得ないところなのだろう。それゆえ、思春期の少年が大人へと変容しうるかどうかといった境界線を描くことに成功しているのかもしれない。 庵野氏がキリスト教系の概念にて記述する限り、「自己」を中心とした認識・存在概念から逸脱できないため、多神教的概念を扱う宮崎氏が記述しうる「物質から完全に解放された死後の魂」(「他者」を中心とした認識・存在概念)を記述しようとすることは難しいのかもしれない。。。 だからこそ、思考実験にて弄ばれる不老有死ないし不老不死の少年少女達は究極なまでに孤独な状態なのかもしれない。。。 ※ここで言うところの「魂」概念は、「あるのでもなく、ないのでもない」といった概念に相当します。 後ほど、ブログ内の過去の記述へのリンクを入れていく予定。。。
by kisugi_jinen
| 2014-09-10 23:20
| つれづれ。。。
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