バカッターなど想像できなかった頃のファミレスでの1コマ。。。
年を取ったのか、ふと思い返される光景がある。。。
ただし、数年間の記憶の断片がシャッフルされたような状態なので、複数の人物像が重なって思い返されているかもしれない。。。 大学の研究室に残って一人暮らしをしていた数年間、夜中の終電に間に合うように大学から駅までの20分程の人通りのない寂しい道を歩いていた頃、借家の近くには数件のファミレスがあった。 24時間営業のファミレスは、当時の生活には欠かせない憩いの場所でもあり、不足しがちな野菜類をお腹にいれるのに、適切な場所でもあった。いきつけの1件のファミレスはサラダバーは無かったが、いつも同じ女性の店員がてきぱきと働いていた。夜中の2時近くの、ほぼ定位置での食事を楽しみながら、自然と目に入る小走りに移動する女性の姿。特に好みのタイプでもなかったのだが、年齢的にはほぼ同世代。彼女の機敏な動作と対照的な、細面で、少しやつれたような物憂げな表情が常に気になっていた。 いや、「好みではない」といいつつも、学位取得という追い込み状態の中、研究室とバイト先と借家との往復に疲れていたためか、心のどこかで救いの女神を求めていたのは事実であり、少しばかり恋心を抱いていたのかもしれない。 半年ぐらいたった頃であろうか、いつものごとくに、適当にローテーションさせている数種類のメニューから料理を選択して注文を終え、ぼんやりと店内や外の夜景を眺めていると、いつもと違って彼女は時折、一人の男性のいるテーブルに寄り添うように座り、しばらく楽しげに話しあっては仕事に戻っていく。少し奥まった場所に近く、詳しい状況までは分からないが、どうやら、何らかのリストを二人で相談しながら作っているようだった。そんな光景を数日見かけた後、ぱったりと彼女の姿を見かけなくなった。 彼女がいなくなって少し寂しくなった店内を、新しいバイトの学生と思しき女性が注文をこなして行く。 少しだけ変化した店内をぼんやり眺めながら、数日前までの彼女と彼氏の共同作業は、おそらく結婚式のリストや案内状を作っていたのだろうと、勝手に想像を膨らませている自分に気がついていたのを思い出す。 ファミレスには似つかわしくない、やつれて笑顔の少なかった女性が楽しげに輝いていた一瞬を垣間見れたあの日、私自身が少しだけ変わったのかもしれない。 いや、やはり、年を取ったのかもしれない。そんな気がした青春時代の1ページ。。。心の片隅にいつまでも残り続けている。。。
by kisugi_jinen
| 2013-12-20 02:20
| 思い出。。。
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