汚染水問題という問題。。。
首相が「完全にブロックされている」(※)と断言したからといって
世論調査で「○○%の国民がそう思う」と評価したからといって 地面に染み込んだ水、海に流れ出した水は その内部に何がしかを溶かし込んでいる限り 濃度勾配・拡散という自然の流れの中にある。 「人智の範疇の科学・技術」が「人智の範疇」で、 その限界が批判されたとしても、 地面に吸い込まれた水が、 高いところから低いところへ流れようとする自然現象を、 完全にブロックし続けることが どれだけ想定外のことを含んでいるのかを 人智は学んでいないのだろうか? 穏やかな海の水が、突然の地割れとともに牙を剥き 多くの尊い命が奪われたことは「想定外だ」として 既に忘れ去ったというのであろうか? 「地下水に含まれている・いない」を 測定可能な程度までになっているのであれば どれだけの物質が「測定不可能な範囲」に流れ出しているのかを 推定・想定すべきであろうにも関わらず。。。 トリチウムを規制値以下に薄めて流すといったところで 総量は同じなわけで 別に薄めて流さなくても 100%トリチウムの液であったとしても 海水に比べて微々たる量なのであれば そのまま海に流して攪拌すれば 規制値以下に薄まるというのに 何のために無駄に水を使うのだろうか? その水は元々、母なる海からもたらされていることを 人類は学ばなかったのだろうか? 頭の中に境界線を引いても 人心の中に境界線を抱いても 海の中に境界線を引いても 水は流れるように流れ、拡散するように拡散する。 現時点で人類の英知と技術にて可能なことは、 拡散する速度を、ある程度コントロールすることぐらいでしかない。(2013.09.18 03:15 2行追記) 最初の爆発から いったい何トンの水を冷却水として注ぎ込んだというのか 一滴も地面に吸い込まれず 一滴も海に流れ出さず 一滴も原発由来の放射性物質を含まずに 処理可能だという浅はかな楽観的・希望的・知的幻想を抱きうる程度の人類が いまだに居るのだろうか? いや、大量に注ぎ込むことで規制値よりも薄まるので、 大雨や台風による被害を内心喜んで、 ほっと胸をなでおろしている人々がいるのかもしれない。 ある人々にとって想定外という未曾有の事態に対し 初動時の首相や現場の人々を裁判にかけることが正当だというのなら 多くの人々にとって人智の浅はかさが想定内となった状況に対し 自然現象の範疇にある水(いや水に溶け込んだ物質)に 境界線を引けると思っている人々がいたとするなら、 皆裁かれるべきであろう。。。 ニガヨモギ = チェルノブイリ この奇妙な言葉の符号が囁かれた時以上に末期的なのかもしれない。。。 だからこそ、自らの神(言葉・智)を信じる暴知事は 震災を天罰だと叫ぶことができたのだろう 同じように、自らの神(言葉・智)を信じる暴記者は 原爆を神の裁きだと叫ぶことができたのだろう 言葉・智によって理解しうる範疇はすべて、 浅はかな人智で想定可能な範疇(境界・教会・協会の内部)でしかないというのに。。。 いや、政治家と目される人々は「そういうことを知っていて」もなお、 自身の主張するところを押し通すために、法螺を吹き続けねばならない。 大法螺吹きこそが、偉大なる政治家でありうる証である。 法螺と知っていようが、知らずにいようが、 法螺を吹き続ける大物政治家についていく人々が増えれば、 隣国のさらに隣の国のように、 いや、その昔のカギ十字を掲げていた国家と同じように 法螺によって統制され続ける運命へと誘われるのかもしれない。。。 法螺を法螺と知りつつ政治家に踊っていただき、 一部の人々が乗せられて踊るのを茶の間で眺めつつ 安穏として五輪を見ながら茶粥をすすり続けることのできる幸せを 手放したくない人々が「そうは思わない」と ボタンをクリックし続けるだけなのかもしれない。。。 いや、やはり、 そういったことを考えている私自身が 末期的なのかもしれない。。。 ※2013.09.18 03:06 追記 2013.9.9の時点で東電との認識の食い違い資料が提示され、9.10の時点で政府によって「問題ないレベル」へと軌道修正されていたようです。その後、新聞社や放送局のアンケート調査が行われていましたが、朝日新聞社の調査では「完全にブロックされている」と思っている人が8%いたとのことです。
by kisugi_jinen
| 2013-09-16 08:33
| つれづれ。。。
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from 来生自然の。。。
at 2013-11-19 05:58
タイトル : 政治家と機密保護と法螺と独裁者と。。。
政治家は法螺を吹いてナンボのもの というより 法螺を吹かない政治家は政治家足りえない というべきか ある一定(期間)の機密保護の担保がなければ、政治家は自身の政治家生命を失ってしまう。 したがって、機密保護法に反対する政治家は政治家ではありえない。 しかし、機密保護は両刃の剣である。 与党が自分たちの都合のみで作り上げたシステムであったなら、 それは、その後に与党の座を奪取しえた党にとって、非常にありがたいシステムになっているかもしれない。 ナチス政権はど...... more
Tracked
from 来生自然の。。。
at 2016-05-08 03:34
タイトル : トランプ=大物政治家=大法螺吹き
実に見事な等号成立を見た。 反対勢力に「嘘つきテッド(lying’ Ted)」と言っておきながら、情勢が変化すると「タフで賢い男(a smart tough guy)」と手のひらを返している。にもかかわらず、当人は「嘘つき」とは呼ばれない。やはり「大法螺吹き=大物政治家」なのである。 いや、単に計算高いだけかもしれない。損得判断のみで動き、動かす。 過去の条約など反故にしてでも、自国の利益・国益を担保しようとする。 私のように政治に疎いもののところでも、政治臭さが漏れ出して来る程...... more
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