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情の欠落するもの。。。情を欠落させるもの。。。越えようとする思いの大切さ。。。
半年以上も前の記事だが、つい最近知ったので引用しておく。
当たり前といえば当たり前のことが確認されたというべき実験でもある。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2725848/5743460

要約すると
大勢の人々の前で発表するというストレスにさらされた子供(上記実験では7歳から16歳の少女)に対し
1.母親に抱きしめられたとき
2.直接電話で話をしたとき
3.母親と連絡を取らずに差し障りのない映画を見たとき
のいずれかを行った場合、
1が30分以内にストレスを示すコルチゾルの分泌が低下
2では1時間以内に低下
3では1時間たってもストレスを示すコルチゾルが正常よりも30%高かった。
とのこと。
快適さを示すオキシトシンの分泌も同様の結果になったとのこと。

非常に当たり前のことに思えるし、そのような実験を行うこと自体、少女に対する非道のようにも思えてしまうが、逆説的にいえば、そういった実験の結果がなければ、事態の深刻さを理解できない人々もいるのだということを意味しているのかもしれない。

さらにいえば、実験では「非常に大切なこと」が隠されてしまっている。
子供それぞれの個人ごとの心情についてである。実験では、そういった個人差を排除するために均質化(客観化)が暗黙裡になされている。平均を取るという手法もまた、そういった背景があるからである。
母親と生き別れた子供や死別した子供は当然のことながら当初から対象には組み込まれないし、母親との仲が悪い子供も除外されていることだろう。
ようするに、(実験では「当然とされるべき」)受け手の母親に対する近親感という心情もまた、非常に大切だということである。

このことは、下記内容でも重要であろうことはあきらかであろう。

先日、阪神淡路大震災の被災者で、独居老人となられた方々が孤独死していくケースが多いとの番組を見た。対策を講じておられる方々がおられるが、個人の力ではどうしようもないとのことだった。
しかしながら、非常に簡単な、ある方法で防ぐことができるという。

上述の母娘での電話ではないが、手紙のやり取りだけでも違うとのこと。

中学・高校の学生との文通を働きかけたところ、いまも続いているケースにて、老女が「一人暮らしをしていると、死を思うときもあるが、手紙を読み返すことで、そういった気持ちが消えてしまう」(発言内容は微妙に異なると思います。記憶に頼って書いています)とのこと。

手紙をやり取りする過程で、成長していく子供たちが、その時々の悩みや喜びなどを報告してくれるのがうれしいとのこと。そういった繋がりが大切なのだという。
東日本大震災でも、今後活用できる方法だという。

関連してネット検索していると孤独死とその対策をまとめた文献が見つかった。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/ce/2011/kh01b.pdf

その中では、1992年にスタートした京都の大江町での「ふれあい郵便」が取り上げられている。郵便物の内容ではなく、郵便局員が独居老人に郵便を届ける時にひと声かけるという趣旨のようである。

しかしながら、老人を食い物にしてしまうオレオレ詐欺もまた、広まっているという事態をも考えるべきであろう。純粋に人とのつながりを信じあえる状況ではないということこそが、受け手である老人の心を閉ざしてしまうかもしれない。

最近、京都大学霊長類研究所・松沢哲郎所長が出演されるテレビを二番組ほど見た。一つは放送大学での講義、もうひとつは進化における人間とサルとの差についてである。記憶している限りのサルと人間との違いについて、羅列しておく。
1.二足歩行に伴う骨盤の変化で、チンパンジーは一人で出産できるが、人間は出産時に「協力」が必要になった。
2.チンバンジーにとっては当然の能力であるが、人間にとって不可能な知的能力がある。(複数の視覚対象を人間の数倍?の速度で峻別し記憶する能力)---放送大学分
3.遺伝子は数パーセントしか違わない。
4.チンパンジーに協力させる実験をおこなうと、知的に認識しているにもかかわらず、相手が協力して欲しいと積極的に申し出てこない限り、協力しない。
(半分以上寝ていたので、部分的になっています。今も眠たくなってきたので、今は思い出せません。放送大学のものは最後までみていましたが、もう一つの番組は録画していたはずなので、確認し次第、訂正・追記する予定です)

要約すると、人間とサルを分かつものは遺伝子や能力のみではなく、具体的な事象がなくても「思いやり」といった心情的な要素にて、「協力」しあえるかどうかといったこともまた、大切なことがらだということである。

何にしても人間が生きていくうえで「心温まるような繋がり」は必要不可欠ということである。

あたりまえのことであるにもかかわらず、当たり前でない状況に置かれてしまう人々がいるということ。「当たり前でない状況」もまた、人間が創り出してしまうということ。

そうして、「心温まるような繋がり」は、発信者の側の思いのみではなく、受け手側の思いがあってこそ成立しうるということを、深く考えるべきであろう。。。。

思いは、閉ざされるためにあるのではない。断ち切られれるためにあるのではない。
繋がりあおうとする思いは、たとえ閉ざされようと、断ち切られようと、越えていこうとすることこそが大切なのかもしれない。。。
たとえそれが、ヒトがヒトとして生まれてきたゆえに持ち合わせている本能であったとしても、いや、数パーセントの遺伝子の影響によるものであったとしても。。。
※数パーセントの遺伝子の違いのみで説明されるものではないでしょう。少なくとも「人間」という総体として発現しているものなのでしょう。遺伝子単体では何もなしえません。

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by kisugi_jinen | 2012-01-28 03:51 | つれづれ。。。 | Comments(0)
小澤の不等式とスピン-その2-標準偏差:σは無限大にならずに済むのか?。。。
小澤の不等式とスピン。。。
にて長々と訂正を重ねながら書いてしまったが、私が最も興味を抱いているのが、
実験系にて「誤差」と「擾乱」のトレードオフの具体的な関係が明らかになったときの、小澤の不等式での「標準偏差:σ」(記事では「ゆらぎ」)についてである。
この部分はロバートソンの不確定性関係とも関連するが、はたして標準偏差:σは、「誤差・擾乱」の変動関係によらずに一定の値を保ちうるのか?

小澤氏によれば、誤差と擾乱の両方をゼロに近づけることが可能とのことであるが、残念なことに(※1)今回の実験系では、片方をゼロに近づけることができたようだが、その場合に他方は取りうる最大の値:√2(すなわち、スピンの状態としては、+1と-1の両極端の重ね合わせ状態)を取ったようで、真の意味での量子力学的な限界(ロバートソンの不確定性関係)は決して破ることができないことを実証したともいえる。
(※1:私にとってはσが無限大になるといった事態が避けられたので「幸いなことに」である)
問題は、標準偏差:σが誤差・擾乱の関係によらずに、一定の値を取りうるのか?ということである。


もっというなら、
標準偏差:σは測定の影響を受けるのか・受けないのか?ということになる。
個人的には「受けない」のではないのか?と考えている。
いや、正確には、もし仮に小澤の不等式が成立するとしても「受けないでもいいような値が許されている」のでは?と思うのである。

理由はたいしたことではない。小澤の不等式が成立する場合、小澤氏が指摘しているように「誤差・擾乱」をゼロに近づけることが可能な場合には、「標準偏差:σ」が無限大になる(無限大へと操作される)というのが、どう考えても気持ち悪いということにしか過ぎないのである。

そもそも、標準偏差という概念と計測結果という概念の関係からすれば、計測結果のばらつきは標準偏差(ないし分散)と一致しなければならないはずである。それなのに、計測結果の誤差と擾乱がゼロへ収束する場合に、その「散らばり方」であるところの標準偏差:σが無限大へと発散する(させられる)のは、おかしいのではないのか?ということである。

さて、論文は有料とのことで、手に入れていないが、幸いなことに日経サイエンスが明瞭な結果の図を引用してくださっている。

図から読み取れる値をもとに、仕事の合間に計算をしているところである。

現時点で分かったことは、誤差・擾乱が直線的に変化した場合でも、少しばかり複雑な式になるということである。
式は職場に置いてきてしまったので手元にないが、記憶しているところを係数をA,B,Cで表すなら
A(σ21-√2)2 ≧ Bσ1+C
といったような不等式が条件としてでてくるということである。(←後日差し替え予定)

※以下、2012/1/27 00:10追加
計算式を持ち帰った。±が少し違っていた。上記の曖昧だった式は判別式Dに相当している。

誤差と擾乱の変化は直線関係ではなく、やや上に凸の形状で変化しているので、式の通りにならないであろうが、おおよその関係を把握することはできると思っている。

念のために繰り返し断っておくが、以下は角度パラメータをxとしたときの誤差と擾乱が直線的に変化した場合を想定した式になっている。

実験結果の該当図は若干上に凸のプロットになっているため、できれば後日、プロットから読み取った値にて近似式をだし、仮想的な直線の代わりに代入してみる予定である。

今回、直線として想定した誤差と擾乱
誤差:(2√2/π)・x --- [1]
擾乱:(2√2/π)・(π/2-x) --- [2]
とすると

パラメータ:xが0からπ/2までの範囲で成立すべき小澤の不等式:yは、
y(x)=-8/π2・x2
+ (2√2/π)・(σ21+√2)・x
+ √2・σ1-h/(4π)≧0 --- [3]

上に凸の二次関数なので、x=0およびx=π/2の2点にてy≧0が成立すればいい。
したがって、
y(0)=√2・σ1-h/(4π)≧0 --- [4]
y(π/2)=√2・σ2-h/(4π)≧0 --- [5]

念のためy(x)の判別式をDとすると
D×π2/2=(σ21+√2)2 +4√2× σ1-h/π≧0
であり、[4]が成立する範囲でD≧0となる。
[4]は
σ1≧h/(4√2・π)
であり、成立しない範囲は下記のプロットではほぼ原点付近でプランク定数程度であるため、倍率を1034ぐらいにしないと、見ることも、表現することもできない。(←表現を変えました。2012/1/28 01:10)

ということで参考にならないかもしれないが、横軸にσ1縦軸にσ2を、それぞれ(0,√2)の範囲にて設定した時のD×π2/2のプロットを示す。
b0032038_2314329.png


少なくとも、今回の実験系で誤差と擾乱が直線的に変化したとするならば、σは無限大にならなくとも、(それぞれ誤差と擾乱の最大値以下の範囲で)ある一定の値(式[4],[5]を成立させる範囲)を保っていれば、小澤の不等式を成立させうることが分かった。

繰り返すが、誤差と擾乱の実際の値は直線よりも上に凸であるが、おおよその予測として、それほど外れていないと思っている。

※2012/01/27 05:30 追記
。。。というより、「誤差・擾乱の変動に影響されずに、一定の値でありつづけている」ことを否定されなかったというべきだろうか?。。。
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by kisugi_jinen | 2012-01-26 02:37 | 思考。。。 | Comments(0)
小澤の不等式とスピン。。。
今週初頭の月曜日(1月16日)に、センセーショナルなニュースが飛び込んできた。

普段、新聞などあまり見ないのに、センター試験でのニュースが気になっていたので、月曜の朝から新聞を広げようとしていたからである。

「小澤の不等式が証明される!」
おぉ。。。とうとうやったのか?

と、新聞に記載されている内容ではよくわからないのでネット検索をかけてみたら、具体的な論文の概略と図の一部を添付した記事を見つけた。
日経サイエンスの記事である。
2012年1月16日・「ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証」
しかしながら、読み進めていくにつれ、「あれ?」と思うところがあった。

元の記事を引用し、続いて私的ではあるが、考察を加えてみようと思う。
1.方法についての記載部分
中性子のスピン(自転に相当します)の異なる2方向の成分(x成分とy成分)とは,粒子の位置と運動量と同じく,「片方を測定するともう片方の乱れが大きくなる」というトレードオフの関係にあります。量子力学的に見て,両者の関係は同じ不確定性で表されるのです。長谷川准教授らは,まずある中性子のx成分を測定し,続いて同じ中性子のy成分を測定しました。

2.結果についての記載部分
測定条件を変えていくと,x成分の測定誤差が大きくなるにつれて(測定1),y成分の乱れ(擾乱)が小さくなり(測定2),確かにトレードオフの関係になっています。

3.考察についての記載部分(ここがおかしな記述になっている、後述)
注目すべきは実験パラメータが0の点です。x成分の誤差は限りなくゼロに近いので,ハイゼンベルクの式が正しければ,y成分の乱れは無限大に発散するはず。でも実際は1.5弱に収まっています(縦軸は測定値がh/4πの何倍かを表しています)。両者を掛け合わせるとh/4πより小さくなり,ハイゼンベルクの不確定性原理を破っています! 実際,上の測定ではどの実験条件でもxの誤差とyの乱れの積はh/4πより小さく,ハイゼンベルクの式はまったく成立しません。


1の方法を読むと、1つの中性子のスピンの向きについて、ひとつの方向(x軸)を測定し、つづいて、直行する軸(y軸)を測定したとある。通常、スピンをそろえるためには、磁場をかけなければならないので、前段階でz軸方向に磁場をかけていたのだろうと推察される(後ほど、原論文を参照する予定であるが、日経サイエンスにて特集を組んでくださるそうだから、それまで待つことになるかもしれない)。

さて、z軸に磁場をかけた時に、正確にz軸方向にスピンが向くわけではない。中性子のスピンの値は1/2なので、xy平面のいずれかの方向にも向いていることになっている。スピンの長さは(√3)/2で、z軸方向の長さは±1/2で、xy平面内では(√2)/2の長さを持つことになる。

このあたり詳しく記述しているのは、EMAN氏の量子力学の記述である。
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/spin.html
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/spin2.html
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/spinor.html
EMANの記事では、x軸方向に磁場をかけているが、スピンの性質上、同じことになる。

要約するならば、(a)z軸にスピンをそろえた後、(b)x軸方向に計測し、(c)引き続いてy軸方向に計測すると、
(a)では、xy平面内でのスピンの向きは不確定(古典物理学的な角速度は磁場によって確定されるため、位相としての角度が、不確定性原理のために不定となる)
(b)では、x軸方向での向きが決定されるため、yz平面内でのスピンの向きが不確定になる。
(c)では、y軸方向が決定されるため、xz平面内での向きが不確定になる。直前の(b)でx軸の向きが決定されたにもかかわらず、x軸の方向を含めて、スピンのxz平面内での方向は不確定になるということである。(←ハイゼンベルグではないケナードの不確定性原理による。正確には[Sx,Sy]=iSzの関係から導き出される関係)(※←赤字追加、2012/1/22 05:12)

さて、日経サイエンスにて引用された結果と図を見ると、(b)の時点で、y軸方向のスピンのとりうる値の測定誤差が角度0のとき0で、角度π/2のとき1.5より少し小さい値になっている。図を拡大して値を読み取ると、1.414に近いことがわかる。すなわち√2である。それぞれの軸方向に検出された場合を±1とするならば、(最大の)標準偏差は√2であり結果の図と一致している。
となると、スピンの向きを最大で±1という値に決めたとしても、それ以上の値をとるはずが無く、「無限大」になりえないのは当然のことである。
さらに、擾乱についての図の曲線は、EMAN氏が記述しているようにcos2になっているはずであるが、まさに放物線のような最初のカーブは、cos2でのカーブに似ている。
↑※2012/1/22 05:07 取り消し修正・補足
EMAN氏の記述は、スピンの方向が決定された後、θ回転している面内にスピンが存在する確率の話なので、誤差と擾乱には直接的には関係しない話でした。
ただし、存在確率がcos2にて決定されるのであれば、誤差と擾乱の値も関連した傾向を示すであろうことが想定されます。


スピンの向きの不確定性は、1つの軸方向について決定されたとき、直行する平面内での向きが不確定になる(すなわち、位相角度がゼロから無限大になる=回転角度なのでゼロから±πの間、すなわち向きとしては±1の範囲)ということを意味しているので、日経サイエンスに記述されている「考察」部分はおかしいのではないだろうか?(←「回転」しているかどうかは別問題なので取り消し線で修正:2012/01/22 03:40)

※2012/01/22 04:57 追記

したがって、「ハイゼンベルグの式が正しければ,y成分の乱れは無限大に発散するはず。」という表現は正確ではない(★)ので、3の考察部分を的確に書き表すのであれば、

各軸方向の中性子のスピンの長さはh/(4π)として定義されますが、その大きさを1としたものが図になります。実験パラメータ(誤差)が0の点ではx成分の誤差は限りなくゼロに近いので,ほぼ100%の確率でスピンがx軸方向を向いていることがわかります。この場合、y軸に対しては、±90°、すなわち±π/2の角度の位置にほぼ100%の確率にて存在することになるため、+1か-1の値のどちらかが計測されることになります。理論的には両者の確率が50%になるはずなので、その擾乱は最大値である√2、すなわち1.414...になるはずです。このことは結果の図にも表れています。注目すべきは両者を掛け合わせるとh/(4π)より小さくなることであり、ハイゼンベルクの不確定性原理を破っています。 実際,上の測定ではどの実験条件でもxの誤差とyの乱れの積はh/(4π)より小さく,ハイゼンベルクの式はまったく成立しません。

とすべきでしょう。
★さらに詳しくは、本記事の後半にまとめました。



小澤氏や長谷川氏の発言や原論文を読んでいないのでわからないが、彼らがそのような発言をしているとは到底思えないのである。(少なくとも、cos2のカーブの部分が重要だとしているはずである。)(←推論でしかなく、誤解を生むといけないので取り消させていただきます。2012/1/22 04:57)


ところで、小澤の不等式には、もっと本質的な意味が隠されている。

実は、最近、私が記述した記事不確定性原理の本質。。。小澤の不等式。。。にて疑問に思っていた点について、小澤氏自らが記述している文献を見つけた。

日本数学会の秋季総合講演http://mathsoc.jp/office/meeting/sogo-index.htmlのabstractである。
http://mathsoc.jp/meeting/sougou/2008aki/2008_aki_ozawa.pdf

上記でもっとも重要な記述は
Heisenberg は,暗黙のうちに次の仮定をおいている.
(P)測定精度ΔQ で位置を測定した直後の状態は,
   標準偏差がσ(Q) ≤ ΔQ
を満たす.
この仮定のもとで,不等式(4.9) から,σ(P) ≥ ¯h/(2ΔQ) が得られ,精度のよい測定をすれば,測定後の運動量の標準偏差がそれに反比例して大きくなるのは,測定による運動量の擾乱の大きさΔP が(4.8) を満たすためであると結論している.
この証明で用いられた仮定(P)は正しくない.このことは,1980 年代になって,重力波の検出に不確定性原理から導かれる検出限界が存在するかという問題を巡る論争の中で明らかになった.

である。引用文中 ¯hは、エイチ・バー、すなわちh/(2π)。

すなわち、「標準偏差」という概念についてどのように考えるか?が本質的な問題だったということである。

以下、悩んで記述した小澤の不等式に関する稚拙記事を並べておく。
不確定性原理の本質。。。小澤の不等式。。。
不確定性原理。。。小澤の不等式と解釈問題。。。
不確定性原理。。。小澤の不等式と解釈問題。。。2。。。
不確定性原理。。。小澤の不等式。。。別側面から。。。

上述の内容で、ずっとこだわってきたのが
http://mathsoc.jp/meeting/sougou/2008aki/2008_aki_ozawa.pdf
での「ハイゼンベルグの仮定」
測定精度ΔQ で位置を測定した直後の状態は,標準偏差がσ(Q) ≤ ΔQ
を満たす.

に相当することである。

この内容は、私が最初に読んだ小澤氏の別の論文(プレプリント)
http://arxiv.org/abs/quant-ph/0210044
http://arxiv.org/PS_cache/quant-ph/pdf/0210/0210044v2.pdf
内での記述
 η(P) ≧ σx(P) --- 小澤氏(プレプリント)論文の式(18)
 ε(Q) ≧ σx(Q) --- 小澤氏(プレプリント)論文の式(19)
に相当する。
上述の式は小澤氏がプレプリント論文中で、ハイゼンベルグの仮定部分の証明をトレースした部分に相当しており、式(17)から式(25)の間にて詳しく論じられているようである。

すなわち、小澤の不等式の本質は
標準偏差≧誤差(ないし擾乱)
が成立する。
ということに尽きるはずである。

これは、非常に深遠な意味を含んでいる。すなわち、多世界解釈が成り立つということを意味しているのと同等である。
このことの意味については、上記に列挙した稚拙の記事を参照してください。

最近になって上記日本語の論文を見つけて分かったのだが、上記プレプリント中の式(18),(19)から式(25)までの部分は、ハイゼンベルグが仮定した部分に相当するということであり、小澤氏はそれを「否定しようと」していたということで、私の英語力の無さと物理という専門外の分野という障壁(?)が災いして、重大な勘違いをしていたということになる。この場を借りてお詫びいたします。m(_;_)m(各記事には、後ほど追加の文章を記入していくことにします)

※2012/1/22 02:54 追記
先ほど、全ての記事の冒頭に下記を追記しました。
=== 2012/1/22 02:48 追記 
以下、σ(標準偏差)と誤差・擾乱との大小関係に関するプレプリント論文内での記述、数式では(18)から(25)の部分は、ハイゼンベルグの仮説を説明した部分に相当するようであり、小澤氏の主張する内容に反する部分に相当していたようです。下記、資料を入手できたため、勘違いしていたことがわかりました。
日本数学会の秋季総合講演http://mathsoc.jp/office/meeting/sogo-index.htmlのabstractである。
http://mathsoc.jp/meeting/sougou/2008aki/2008_aki_ozawa.pdf
ただし、小澤の不等式では、誤差・擾乱の両方をゼロにするためには、「σ(標準偏差)が無限大になる」必要があることには変わりありません。一方で、誤差・擾乱が大きいときには、σ(標準偏差)が無限大にならずに、比較的小さくてもいいことになります。
そもそも、σ(標準偏差)が無限大なのに、誤差・擾乱をゼロにできるということは、短時間のうちに繰り返し測定を行うとしても、測定していない間に(多世界解釈を行うなら、測定している最中にも)波束のσ(標準偏差)が無限大に拡散することを意味しています。小澤の不等式が繰り返し計測を前提にしているのなら、σ(標準偏差)と誤差・擾乱の両方がゼロに近づくのであれば理解しやすいのですが、残念ながら、小澤の不等式では、そうはならないということです。
σ(標準偏差)という概念が何を表しているのか? そのことについては、深く考える必要があるでしょう。
===
日経サイエンスの記事で「無限大にならない」としているスピンの計測値(+1から-1の限定された範囲を取る)にしても、σ(標準偏差)が無限大にならなければ、誤差と擾乱の両方をゼロにはできないというのが小澤の不等式になっています。

最後に、気恥ずかしながら。。。

ガンバレ、小澤先生!!
勘違いしていてごめんなさい、小澤先生!!


※2012/1/23 2:40補足・追加
スピンでの不確定性は、ハイゼンベルグの思考実験とは少し背景が異なっている。ハイゼンベルグの思考実験は、「同時計測の可能性」であって、今回の実験のように「スピンを同時ではなく、連続して測定する」場合とは異なっている。
そもそも、スピンの定義自体が「直交する2成分の同時計測を許さない」構成であり、だからこそ、可換でない[Sx,Sy]=iSz(ケナードの不確定性関係)が成立しているのである。小澤の不等式もケナードの不確定性関係を破ることができないために、σを無限大へと発散させることで、同時計測が可能な場合にも対応できるように工夫されている。したがって、厳密な意味では、ハイゼンベルグの不確定性を否定することは不可能ともいえるが、一般的に広まっている誤解を解消するには十分なのだろう。ただし、一部の専門家が指摘しているように、誤解に基づく報道や行き過ぎた報道が散見されたことも事実で、慎重な記述がなされることを切に望むところである。


さて、長谷川氏の実験の図は、日経サイエンスの記事からリンクしているPDFファイルに鮮明な形で引用されているので、おおよその値を読み取ることができる。
(2012/1/23 02:00の時点でPDF記事に誤植あり、「測定1への擾乱」は「測定1の誤差」の間違い。←twitterで指摘していたが、5時の時点で確認したところ気付いてくれたようで、差し替えされる模様です。2012/1/23 05:11)
「同時計測可能」であれば、誤差と擾乱の両方ともがゼロに近づかなければならないが、そうはなっていない。このことは、まさに量子力学的な不確定性のなせる業でもある。(2012/1/26 01:35 赤部追加)

両者をほぼ直線とみなせるなら、誤差は(0,0)-(π/2,√2)を結ぶ直線で、擾乱は(0,√2)-(π/2,0)を結ぶ直線になるので、誤差と擾乱の積は
-(8/π2){x(x-π/2)} --- [1]
である。図では直線ではなく、上に凸なので上記式[1]よりも大きな値になる。式[1]ではx=π/4の時最大値1/2を取るので、誤差×擾乱≧h/(8π)となるが、図から読み取った計測値を掛け合わせて見ると、0.78程度の値で、1/2よりも大きかったが1を越えることはなかった。したがって
h/(4π)>誤差×擾乱≧h/(8π)
となっており、確かにハイゼンベルグの式を破る結果となっている。
また、誤差と擾乱の積が最小になるのは0ないしπ/2の時であり、それぞれでの誤差と擾乱を(0,√2)、(√2,0)とした場合、小澤氏の不等式によると
0×√2+0×σ21×√2≧h/(4π) --- [2]
√2×0+√2×σ21×0≧h/(4π) --- [3]
となる。
[2],[3]より、σ1、σ2ともに、h/(4π×√2)よりも大きくなるはずである。

すなわち、
σ1×σ2≧h/(8π) --- [4]
。。。あれれ???
h/(4π)よりも小さい場合がありうる???
図をよーくみると、(近似曲線は原点付近を通っているが)誤差はパラメータが0のとき0にはなっていないので、厳密には[4]の右辺はh/(4π)になるのだろう。。。
でなければ、小澤の不等式でも不十分な事態に陥ってしまうかもしれない。。。

論文を購入するか、日経サイエンスの特集号を購入すれば、そのあたりの詳しい情報が入手できるかもしれない。。。

※2014/1/26 04:40 上記取り消し線にて削除後、以下に訂正・追記。

式[2],[3]をそのまま掛け合わせると
σ1×σ2≧h2/(32π2) --- [4]
となる。
式[4]は、長谷川氏の結果の図から読み取られたところからの一つの条件である。さらに、ロバートソンの不等式
σ1×σ2≧h/(4π) --- [5]
が成立しなければならない。

特に問題なさそうであるが、はたしてσの値は誤差・擾乱に応じて変動するものなのであろうか?
それとも、誤差・擾乱に関係なく、一定の値になっているものなのだろうか?

。。。つづきは
小澤の不等式とスピン-その2-標準偏差:σは無限大にならずに済むのか?。。。
http://jinen.exblog.jp/17684183/
へ。。。

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by kisugi_jinen | 2012-01-21 05:36 | 思考。。。 | Comments(0)



「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
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