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ネーターの定理。。。
確率における従属・独立と共時性・シュレーディンガー方程式。。。 追加事項。。。内に、「※08/08/07 03:50補足・追加」として記述しましたが、新たな記事として移しておきます。
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量子力学を含めた物理学にて、時空間の諸性質(たとえば「場」といった概念)を考えるときに、そういった時空間(たとえば「場」)を成り立たせている「もの」(旧来であれば、たとえば「エーテル」といった概念に相当)が、数学的な対称性概念としての「ネーターの定理」(物理学的には各種保存則)として「全ての時空にて成り立つ」といった前提条件があります(※0-1)。

言い換えれば、どの時空(どの宇宙)の一部を取り出してきても、そうして、その空間座標系をずらしたり、回転させたり、時間軸をずらしたりしたとしても、「物理学的法則の基礎(保存則)が成立するような時空間になっている」ということです(※0-2)。

もっと簡単に言えば、
「科学的法則は、いつでも・どこでも、成り立つ」
ということと等価です(※0-3)。

ブラックホールに対するホワイトホールが(概念的に)考え出されるのも、この「保存則・対称性」が密接に関連しています。

※08/09/13 03:20 補足・注釈(※0-1の“前提条件”,0-2の“なっている」ということです”、0-3の“ということと等価です”について)
引用させていただいている、EMANのネーターの定理(http://homepage2.nifty.com/eman/analytic/noether.html)にも記述されているように、「対称性が存在する」はネーターの定理から導き出されるものではなく、「経験則」です。対称性が破られている事象は量子力学的な領域で多く見いだされ、新たな粒子や相転移などといった概念と結びついています。「(ある条件下にてある特定の状態についての)保存則が成り立たない→(その条件下でのある特定の状態についての)対称性が破られている→(その条件下でのある特定の状態についての)さらなる法則性が見いだされる」といった手順で、様々なことが明らかにされているといえます。
上記、「対称性が破れている」時空は、「ネーターの定理が成り立たないような時空」とも捉えうるように思われるでしょうが、「ネーターの定理が成り立つような時空」として何ら問題ないでしょう。なぜなら、「対称性がある→保存則が成り立つ」という方向の定理なので、否定形は、「保存則が成り立たない→対称性がない」(対偶)であり、「対称性が破れている時空」を考える上でも、ネーターの定理が密接に関連してると言うことになります。


この「対称性・保存則」という概念は、量子力学や熱力学での各粒子を含む微少領域の対称性(交換可能性)と関連し、たとえば、熱力学での等重率の原理(ミクロカロニカルないしエルゴード仮説)とも関連しているでしょう。これはすなわち、量子力学や熱力学での「ランダム」の均質性が、時空間の本質的な対称性・保存則と表裏一体の関係をなしているということを意味しますていると思います。(※1)
===
※1:エルゴード仮説とネーターの定理、「ランダム」の均質性の関係について(08/08/14 01:00補足追加)
b0032038_132098.jpg

※08/09/13 02:40 補足

上記記述が断定的になっていたので、取消線で修正。
図中の左側(量子力学的な側)の説明にて、不足していると思われる部分を下記に追加します。

ネーターの定理が成り立ち、かつ、各種対称性があると仮定するなら、

上記時空内にて、エネルギー保存則を含めた保存則が成り立つ。

極小の時間(Δt)にて、とりうるエネルギーの揺らぎ幅(ΔE)は、不確定性原理の範囲内にて各粒子に影響しうるが、「全ての粒子が連絡を取り合っているかのごとく、系内エネルギー保存則が成り立つような」状態になっている。このとき、系内での各粒子が区別不可能といった対称的な状態であるならば(区別不可能な状態になる程度に系内の均質性が保たれているならば)、各粒子はエンタングル状態にあるとみなしうる。
→エンタングル状態としてみなしうるとは、各粒子は独立して扱われるものではなく、非局所的な相関関係を示す程度に、離れた粒子同士の状態が連動しているということ。

極小の任意幅の時間(Δt)にて、とりうるエネルギーの揺らぎ幅(ΔE)も、エンタングル状態にある複数の粒子単位で考慮する必要がある。

量子力学的な時空間として、n粒子に対する量子力学的な揺らぎの作用(ランダム性)が保存則を破らない。

位置・運動量や時間・エネルギーといった組み合わせ(シュレーディンガーの方程式にて直交する組み合わせ)にて、自乗値=(存在)確率分布に法則性(=求められる確率分布内部にて均質に存在しうる)が見いだされる。
参考としては、たとえばhttp://homepage2.nifty.com/eman/quantum/current.htmlなど


===
ネーターの定理が成り立たない(対称性≠保存則)、もしくは、ネーターの定理が成り立っていて、対称性が成り立たず、保存則が成り立たない時空(注1)が、もしあったとすれば、ブラックホールやホワイトホールが「無い」にもかかわらず、物質がわいて出てきたり、消えたり、作用するものが無いにもかかわらず、物が勝手に動いたり、急に向きを変えたり、大きくなったり、小さくなったりと、摩訶不思議な世界になるわけです。
注1:たとえば量子力学的な対称性の破れ(=新たな量子の出現)として記述されますし、ビッグバン自身やその後の相転移も対称性の破れ(=エネルギーの出現)として、ネーターの定理の範疇になります。


で、そのような時空間の対称性・保存則を成立させている「もの」はいったい何なのでしょうか?
ネーターの定理は、対称性と保存則との関係を数学的に記述しているだけです。その関係(対称性→保存則)を常に成立させ、さらに対称性・保存則を常に成り立たせている「もの」。。。

ところで、「成り立たせているもの」と考えはじめるのも、一つのアプローチですが、そういったアプローチは、たとえば、「時空」とその中に含まれる「物質」とを分けて、「はじめに時空があってつぎに物質がある。」とか、「いやいや、物質が先にあって時空が定義される」とかいった、因果関係的に捉える見方になるでしょう。

もし仮に、「時空と物質とは同時に生じた」とするならば、「対称性・保存則を常に成り立たせているもの」も、同時に生じたと考えるべきでしょうし、ビッグバン仮説を認めるということと密接に関連することでしょう。
※08/08/08 04:10補足:
「対称性→保存則を常に成り立たせているもの」をビックバン以前から時空を超えて存在するという思考からビッグバンが導き出されるともいえます。対称性・保存則、およびそれらを関連づけている数学的な関係性(ネーターの定理:対称性→保存則)は、ビッグバン以前、および「この時空」消滅後も、連綿として存在するという概念、=「いつでも・どこでも」交換可能という概念、に立脚しているでしょう。そういった概念からいえば、「同時に」ではなく、「原初に対称性→保存則という関係があった」という概念を選択したことになります。

もし、そのように考えられるのならば、量子力学や熱力学にて認められる「ランダム」の均質性が、時空全体と、その内部の物質と、密接に関連していると考えても、何ら不思議なことはないでしょう。そうして、それら「全体」の影響は、たとえば、マッハの原理(宇宙全体に対して回転するバケツの水と、宇宙全体が回転していて止まっているバケツの水との交換可能性)にても証明不可能なように、「ない」と同等に考えても矛盾しないわけです。

★ニュートンのバケツに対するマッハの原理(マッハのバケツ)に見るように、「ランダムの均質性の起源」については、あらゆる可能性を排除するわけにはいかないだろう。すなわち、人の恣意・意志・意図といったものをも含めて、一元論的に扱わざるを得ないだろう。★
(★から★までの文は、09/01/18 05:40に挿入しました。以下の文章との整合性のためです)

ただし、誤解しないでいて欲しいのは、「人間の思い・恣意・意志・意図が、因果関係を持って離れた空間に作用しうるということではない」ということです。これは、なにも超能力があるとかないとかいった議論ではなく、量子力学でのエンタングルメントを巡る解釈問題とも密接に関連します。

確率における従属・独立と共時性・シュレーディンガー方程式。。。 追加事項。。。を投稿をして、5年近くになり、その後に記述している因果・非因果EPR相関に関連する投稿(EPR相関とBellの不等式と。。。因果的・非因果的。。。能動的・受動的。。。意識と情と。。。)にてまとめていますが、この類の作用については、「一方向の因果関係がある」とするならば、「別方向の因果関係もある」とせざるを得ないわけです。
2粒子が量子力学的に一つの系として扱われるとき、両者に「因果関係」を当てはめることは出来ない。「状報伝達」という概念は、因果論的な考え方である。量子力学的な状態決定が離れた2箇所にて同時になされる場合には、「非因果的」という概念で扱われるものになる。
すなわち、

「こちらの粒子の意識的な測定が、あちらの粒子の状態を決定するということで、状報があちらに向かって伝達する」といった概念で捉えることが間違っているということである。
もし、間違いではなく、上述が成立するのであれば、

「あちらの粒子と何らかの物質との相互作用が、こちらの粒子の状態を決定するということで、状報がこちらに向かって伝達し、計測者の意識を決定する」
ということも、同時に成立しなければならない。
(この部分、「EPR相関とBellの不等式と。。。」から引用)

言い換えるならば、「外部から何の作用もないように切り離されているかのように見える時空・物質」は、ネーターの定理が成り立つ(対称性→保存則が成り立つ)にて、その外部と繋がっているわけです。(そういった意味で、まさに、旧来のエーテルのごとくの存在なわけです)
すなわち、「完全に周囲から切断されている」とか「外部からの影響を排除した」とかいった表現は、「均質なランダム性を与える周囲と密接に繋がっている」とか「均質なランダム性を外部から受けている」とかいった表現と、等価なわけです。
その「均質なランダム性」に関与するものとして、各人の意志・意図・思い(観測可能なものとしては、脳状態の揺らぎ)も、含めざるをえないわけです。
なぜなら、(一元論的な)「全て」が、ネーターの定理と切り離せない(物理学的に、もっと狭く言えば、宇宙全体がシュレディンガーの方程式にて一つの孤在系として扱われる)とすれば、当然の帰結なわけです。

※08/08/08 03:50追加
ネーターの定理に代表される、時空全体の「対称的な」(言い換えれば、交換可能な)性質は、「量子力学的な選択」や「熱力学的に扱いうる部分を構成している粒子の状態選択」が均質(=等重率)であることと等価でしょう。
この前提条件があるゆえに、量子力学的な選択の確率(シュレーディンガー方程式の自乗)や、熱力学的な統計が成立しうるともいえるでしょう。
また、「量子力学の多世界解釈」や「隠れた非局所的変数説」に代表されるような、時空全体の「状態選択」の均質性も、同様でしょう。
注:分かっている方には当たり前でしょうが、念のために申し添えると「確率密度関数による分布の違い」≠「状態選択の均質性」です。「状態選択の均質性」=「確率密度関数が、いつでも・どこでも成立する」です。



※ネーターの定理
参考:
http://hb3.seikyou.ne.jp/home/E-Yama/NoetherTheorem.PDF
物理のかぎしっぽ
http://www12.plala.or.jp/ksp/analytic/NoethersTheorem/
宇宙論:オリジナルテキスト、(現在未完成版)、松原 隆彦
http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/cosmology/webfiles/cosmology-web/node114.html
EMANの物理学・解析力学・ネーターの定理(08/08/23 03:25追加) --- 分かりやすい!
http://homepage2.nifty.com/eman/analytic/noether.html

※熱力学と統計力学に関する参考資料、08/08/11 07:10追加
統計物理学の基礎をめぐって、田崎晴明
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/pdf/statphys.pdf
カノニカル分布の導出、宗像 豊哲
http://amech.amp.i.kyoto-u.ac.jp/~munakata/regime/5.pdf


※08/09/13 04:00 変更
文中に「対称性=保存則」とあったものを「対称性→保存則」に書き換えました。

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by kisugi_jinen | 2008-08-08 03:36 | 思考。。。 | Trackback(2) | Comments(0)
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Tracked from 来生自然の。。。 at 2008-08-08 03:39
タイトル : 確率における従属・独立と共時性・シュレーディンガー方程式..
確率における従属・独立と共時性・シュレーディンガー方程式。。。 にてコメント欄に書き込んでいたものですが、別投稿として、掘り出しておきます。 Commented by kisugi_jinen at 2004-12-08 22:05 x 今後、私にとっての、基本的な考えになるので、ホームページにアップしました。 http://www.geocities.jp/kisugijinen/ http://www.geocities.jp/kisugijinen/kanren-dokuritsu...... more
Tracked from 来生自然の。。。 at 2008-08-11 05:50
タイトル : ネーターの定理とディラックの海。。。エーテルに代わるもの..
ネーターの定理。。。にて、「対称性が成り立つ・成り立たない=保存則が成り立つ・成り立たない」という性質を持つ時空間が想定され、通常「対称性=保存則が成り立つ」時空間内部に、「いま・ここ」を含む宇宙全体が含まれているとした。 その前提条件(というより、当然のこととして)ネーターの定理を、旧来の「エーテル」のごとくの存在とした。 このこととエンタングルメントとの関連性を指摘したが、その理由を付しておく。 1.空間的に十分離れた状態のエンタングルした2粒子(ないし2量子)を含む微少な空間は、「エンタン...... more
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