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メタについて。。。構造構成主義に関する私見。。。1。。。
※07.03.31 19:00下線部を一部修正しました。
※07.05.09 08:55本へのリンクと、過去投稿文へのリンクを埋め込みました。

以下は、mixiの「構造構成主義」コミュでの私の発言を要約したものです。

構造構成主義では、信念対立の克服という人間科学的な問題に対して形作られてきた経緯があるとのことで、西條氏の「構造構成主義とは何か」にても、信念対立に関連するメタについて、ロムバッハの「存在的・存在論的」および「システム・構造」と関連させての記述が散見されます。このあたり、少し読みにくく、理解しづらいところに思われ、認識の差異にて議論が生じやすい部分のように思われました。
構造構成主義とは何か―次世代人間科学の原理
西條 剛央 / / 北大路書房
スコア選択: ★★★★

※構造構成主義と竹田現象学との関係は、以前、このブログで詳しく記述してあります。

以下、私的解釈を交えて、メモとしておきます。

メタという概念には、垂直的と水平的があると思います。

上下:「AのメタがB」といったとき、「A≠B」である。そうして、A⊂Bである。また、全体をCとするとき、B⊂Cであり、したがってA⊂B⊂Cである
このとき、Cに含まれる「ある事象X」をAが記述できないとしても、Bであれば記述でき、また、「ある事象Y」をAが記述できるときにはBでも記述できるということになる。
具体的には、「水が沸騰すると水蒸気になる」という事象Xを「液体は沸点を越えると気体になる」という理論(「液体→気体」に関する理論)で記述できるとするときをAとすれば、「固体→液体→気体」を記述可能な「分子間力と構造相転移」の理論はBとなる。
すなわち「階層性・包含性のあるメタ」である。

水平:「AのメタがB」といったとき、一見「A≠B」であるが、実のところ「A=B」(A⊆Bであるとともに、B⊆A)である。また、全体をCとするとA⊆Cであり、B⊆Cである。すなわちA=B=Cである。
たとえば、Aは「磁石であるから磁力がある」とし、Bは「磁力があるから磁石である」とする。一見、物理学的な因果関係に立脚しているように見えるBの説明の方が理論的でメタであるかのようにも見える。
しかしながら、磁石と磁力とは因果関係で結ばれるものではなく、同時生起的なものである。
磁石であって磁力のないものは存在しないし、磁力があって磁石でないものも存在しない。
更に細かなところを言えば、電子や陽子のスピンも磁石とみなされるし、実際のところ「いわゆる磁石」はそういったスピンの揃ったものである。さらに個々のスピンのレベルでも同様のことが言える。
ただし、モノポールが発見されれば、この限りではなく、垂直的な因果関係としてのメタに移動しうる。 (※)

上記「磁石と磁力」を「わたしと関心」ないし「わたしと恣意性」
に置き換えることができます。(置き換えた文章は省略します)
このとき、「関心」や「恣意性」を単独で取り扱いうるとすれば、モノポールと同じく、垂直的なメタに移動しえるかもしれませんが、そうすれば「全体:C」(私的には総体)の外へと脱却した話となってしまいます。 (※)

すなわち、単独で扱おうとすることは、「○○にとっての」を「誰にとっても」として、交換可能性(客観性)の高い状態で扱おうとすることと同等であり、「わたし」のいない「関心」や、「わたし」のいない「恣意性」についての議論になってしうでしょう。そういった客観性の高い議論の後に「わたし」をくっつけることもできるかもしれませんが、構造構成主義では、上下方向のメタ(ロムバッハの構造)を「機軸」とし、水平方向のメタ単独(菅村の「連立制御ネットワーク」、構成主義)では「問題がある」としながらも含み、その上で、さらに「わたし」を外した議論を避けるというところに立脚点がある(すなわち、垂直と水平の両方のメタに立脚点を置く)ようです。

両方のメタの意味を同時に認識可能であるならば、「構造構成主義とは何か」を、何の問題もなく、すんなりと読み進めることが可能だと思われますが、通常はそのようにはいかないと思われます。

現行、人間科学での信念対立から出発しているにもかかわらず、あらゆる分野への継承(応用・適応)を展開しているようですが、メタの方向性に本質的な差異があることを認識した上でなければ、躓きの石になる可能性が高いと思われました。

また、上記立場は、
「主観と客観と交換可能性。。。」 にて引用している、竹田現象学の立場そのものになると思われます。
===以下、再引用
カントの先験的哲学が表現する「超越論的動機」に関して、”誰もメタレベルに立てないという原則の確認”といった解釈もあるが、妥当とはいえない。それが意味するものは、当時の文脈に即してより正確に言い直せば、誰も「主観」の外に出て「客観」を直接確認できないという認識論的原理の確認であり、認識問題はこの前提の上でのみ構想されねばならないという思考原則の提示である。「言語的思考へ、脱構築と現象学」、竹田青嗣、径書房p.90-p.91
「そもそも認識問題の本質的動機は、単に客観的で厳密な認識が可能かどうかといった問題にあるのではなく、むしろ諸世界観の対立をいかに克服するかという問題にあった。」(同、p.90)


※07.03.31 19:10 追加
上記「わたしと関心」、「わたしと恣意性」での、「関心」および「恣意性」は、それぞれ、私のいうところの「情」と「意思」に対する知的切断面(概念)に相当します。


※07/06/23 07:30補足・追加
「水平的なメタ」は、卑近な例で言えば、「神の存在・非存在」(神が存在するか否か)と、同等レベルの話でもある。
「神の存在・非存在」は、一見垂直的なメタと捉えることもできるが、構造構成主義と竹田現象学と私の知の思想史と。。。そして情と。。。でのコメントにてやり取りしているように、たとえば「スピノザの神」レベルでは、「全体」⊆「神」、かつ、「全体」⊇「神」であり、したがって包含関係(上下関係)が無くなってしまい、「全体」=「神」といった、水平的なメタへと移行せざるをえなくなってしまう。
ここにおいては、「神の存在」=「神の非存在」(否定神学的存在)と同等であり、「全体」(総体)をどのように捉えるか?といった視点のズレと等価なレベルに落ち着いてしまうわけである。


※08/02/24 02:15補足
菅村氏の「連立制御ネットワーク」、構成主義について、ネット上で論文を見ることができた。
http://mavin.segundo.googlepages.com/sugamura2003b.pdf
菅 村 玄 二: 構成主義,東洋思想,そして人間科学 ―知の縦列性から知の並列性へ―、ヒューマンサイエンス リサーチ VOL. 12 2003 (29-48)


(※)08/04/22 04:00補足
モノポールに関する部分の記述が不十分かつ誤解を招きそうな記述でした。
dipole(双極子)とmonopole(単極子)といった概念およびそれらを扱う上位概念である(電磁)場は、垂直方向のメタです。
ここでの比喩は、下記によっています。
1.双極子しか見つからない(双極子しか存在しない)場合、もし「単極子」が見つかった(存在した)場合に移行すれば、双極子概念の垂直的メタとして単極子概念があるわけです。
2.現行、双極子止まりでの比喩ですが、もし、単極子が見つかった場合、それらを包含する垂直的メタとしての場(電磁場)概念にて取り扱うことが可能です。
3.その場合、「わたしと恣意性」とか「わたしと関心」といった概念を比喩する対象を、単極子に変えればいいだけです。(最初から、変えておけば良かったということになりますが、双極子の方が、比喩として扱いやすいため、双極子を持ち出しました)
4.単極子の場合、すでに、本ブログ内にて、記述済みです。
二元論と一元論と。。。知的切断面と総体と。。。

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by kisugi_jinen | 2007-03-31 04:27 | 思考。。。 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 来生自然の。。。 at 2007-07-01 07:08
タイトル : 医療事故、メディエーション(Mediation)、医療A..
医療事故、医療過誤などで、裁判が行われるケースが目立つ中、医療メディエーター(Mediation:仲介)や、ADR(裁判外紛争処理)というものが取り入れられつつあるようです。 病床数が比較的少ない場合、院内にて積極的なMediationが可能とのこと。特に新葛飾病院(176床)での豊田郁子さんの活動には、心を打たれるものがあります。「医療被害者を自身の病院に招いて研修会を開く」というレベルにまで達するところが凄いと思っております。 豊田さん自身、医療事務という医療に関係した仕事をしつつ、医療過...... more
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「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
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