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はじめてのインド旅行。。。
昨年末、仕事でバンガロールに行ってきた。
バンガロール(Bangalore)は昨年の11月からBengalooru(1年前はBengaluru、ベンガルルに変更予定だったらしい。語源はBenda Kalooru、ベンダカルール=煮豆の街)に変わったとのことである。正式には政府の許可が必要で2-3ヶ月はかかるとのことであり、そのためか、現地新聞での記載はBangaloreのままである。
今回は初めてのインドであり、インド全体について言えることかどうかは知らないけれど、少なくともバンガロールでの時間の流れ方と活気は日本とは随分違う。
飛行機のトラブルで出発が1時間ほど遅れたうえに、荷物の積み下ろしが恐ろしく遅く1時間程度も待たされたにも関わらず、空港の外は、ネームカードを掲げる人々でごった返していた。今から思い返してみると「ごった返す」といっても、周りの喧騒に比べれば、ほんとうに静かに待ち続けているといった感じであった。旅行会社経由で手配してあったホテルまでの送迎も、到着後1時間を経過した場合に集合場所にいなくても文句を言えないという規則にもかかわらず、待っていてくれた。良く言えば、「時間のゆったり感」と「持続する情熱感」、悪く言えば「時間のルーズさ」と「諦念感」という両者が絡み合った世界である。その後、この両者は随所に見られるように感じられ、ヒンズー教の影響や、マハトマ・ガンジーの「無抵抗・不服従」運動に繋がるものを感じた。これらの宗教が広まっているのと、イギリス占領下での抵抗が功を奏したのは、実のところ、インド人の気質あってこそなのかもしれないと思った。
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時間のルーズさ・大らかさと、情熱の持続性・諦念感とは、会議の運営にて見て取れた。会議進行での時間延長が相次ぎ、30分から1時間は常に遅れるという結果になっていた。質疑応答で遅れるのならともかく、開会式自体の時間が延びて、最初の議題開始から遅れるという状態であった。

さて、バンガロール空港のドアを一歩外に出ると、先の出迎えの人々の一団以外に、オートリキシャと車とオートバイの大混雑状態とクラクションの喧騒が出迎えてくれた。車間距離が10cm程度でも相互にすれ違うという車列の中を、本当に縫うように移動した。夜の12時を回ったというのに、根本的に日本との違いがまざまざと突きつけられた感である。移動中のバンガロールの大気は「インドに来たんだ。。。」と思わせるだけの芳香を放っていた。

その交通状況が「たまたま」だったのではなく、その後、日中、道路という道路で巻き起こされていることを知る。

オートリキシャやチャーターした自動車に乗って街中を移動すると、クラクションがどのように使われているかが分かる。日本のような「非常時、やむを得ず」とか「早くしろ!、どけ!」ではない。無論、そのようなケースも多く見受けられるが、ほとんど常に鳴らし続けているので、どちらかといえば「私はここにいるから、気をつけて!」とアピールしているようである。でなければ、確実にぶつかってしまう。

交通量もすごいが、車線も曖昧で、3車線がいつの間にか4車線とかになっている。車の幅がそのときの車線を決定するようだ。3車線程度の道が交差するT字路などでは信号も無いところが多い。台数の多さからの順としてはバイク・自動車・オートリキシャ・バス・トラックになるだろうか。バイク乗車時には昨年の11月からヘルメットの装着が義務付けられたそうだが、後部座席に座るサティを来た女性などは、ヘルメットをつけていない。父親が運転席で母親が後部座席、両親の間に子供は立ったまま乗っているというのも見た。スクーターの場合、前方部に二人の子どもを立たせているというのもあった。
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歩行者は、横断歩道の無い道をほとんど悠然と歩いて渡っている。1m程度の余裕で車を避けている状態である。会場とホテルが6km程度離れており、この道を何度もリキシャ移動したが、これまで交通事故を目撃していないのが奇跡だと思ってしまうほどである。

オートリキシャは両サイドがオープンなので風が気持ちよく快適であるが、排気ガスを結構吸い込んでしまう。リキシャが集団状態で移動することがあるけれど、このときばかりはガソリン臭の混じった排気ガス臭が、昔の日本の道路の記憶を呼び覚ましてくれるほどである。
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リキシャごとに持ち場・得意領域があるようで、自信の無い領域への移動の場合、別のリキシャを呼び止めて紹介してくれる場合もある。運転手によっては渋滞しているにもかかわらず、反対車線を走行して追い抜きをするリキシャもあるので注意が必要だ。何を利用するにしても交通事情が良くないのは同じなので、自身の身の安全について熟考した上で、何に乗るか(あるいは歩くか?)を選択する必要があるだろう。12月9日付けのDECAN-HERALDのBangalore地方紙版にて、インド旅行中の日本人女性の交通事故の件が掲載されていた。それによると、bangalore以外の都市にて交通事故にあって背骨を骨折した上に、Bangaloreの交通状況の悪さから、荷物が病院に届かなかったとのことである。無理からぬことだと思った。

旅行ガイドブックなどの状報では、インドのシリコンバレーとよばれ、IT産業の中心であり、さらには、旧マハラジャの離宮が置かれた地であり、インド南部の高原という地勢を利用して高級リゾート地にもなっているという。
その一方で、日本で最近騒がれているところの2極分化に相当する格差社会が存在している。
日本と比較すれば道路環境を含めて街中の施設環境は悪い。歩道の凹凸はさておき、建物が基本的にレンガ造りであるため、土埃の類が多く、さらに乾燥した気候が粉塵を発生させる。マハトマガンジーロードですら、写真のような有様である。
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道路は必然的に土埃とゴミにて覆われそうになっている。そのゴミ掃除をしている場面に何度か出くわした。竹箒を二本でかき集め、手押しの荷車に積みこんで行くのである。
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人々の暮らしを垣間見るに付け、ヒンズー教の階層化社会の影響を感じてしまうときがある。日本にとってインドといえば仏教という概念が強いが、今も昔もインドはヒンズー教が主たる宗教をなしている。ヒンズー教はブッダをも取り込んでしまうほどの多神教的世界観(概念)を有している。

インドルピーとの両替はインド国内でないとできない。実際の所、インド国内での物価は日本での1/10程度である。経済学には疎い私であるが、格差社会との相互的な関連性を考えてしまう。身分の世襲制が続けば、たとえ低い身分であったとしても専門性が高まることになるだろう。専門性が高まることは、低いながらも身分の保障がなされることを意味する。一方、格差社会は安い労働力を生み出す方向性を有しており、身分保障されている下層の人々が生きて行く為には、物価が低く抑えられる必要があるだろう。実際、インドでの下層の人々が誇りを持って明るく生きているという記事も目にするし、そういった人々の仕事を肩代わりしようとするならば、「仕事を奪う」として非難されるということである。インドでの日本にはない活気はそういったところから来ているのかも知れない。

もし、自由競争社会にて世襲制ではない格差社会が生み出されれば、物価が下降する方向にて安定することは望み得ないのではないのだろうか?

そういったことをも、ふと、考えてしまう今回の旅行であった。

インドがインドであり続けるということと、日本が日本であり続けるということと。。。
ITという知的境界はグローバル化にて易々と乗り越えられたけれど、宗教を含めた人々の情的繋がりの壁は、越えうる面(共感可能な面)と越ええない面(共感不可能な面)があるだろうし、そういったことを深く考えるべきなのかも知れない。
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by kisugi_jinen | 2007-01-04 04:37 | つれづれ。。。 | Comments(0)
<< 数学は認識主体から独立して存在... 千の風になって。。。2。。。 >>



「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
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