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数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。2。。。
数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。1。。。
では、小難しく書きすぎた、というより、そう書かざるを得なかった。

なぜなら、問題は「数学」という分野に収まらないからである。
対象は「広義の哲学的な知」になってしまうからである。
※一般的な意味での「広義の哲学」(知の領域、知的切断面の範囲として)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%93%B2%E5%AD%A6

あの文章は、そういう意味で書いた。

数学という概念は、少なくとも2重の概念(水平的な方向性)の重ね合わせからできている。
一つは、応用数学という側面であり、もう一つは、純粋数学に代表される数学的探求という側面である。

両方向とも、その「対象」(現存してもいいし、仮想でもいい)とは切り離せない関係を有している。
たとえば、その「対象」に共通する(すなわち、交換可能な)記号列とその操作を抽出するのが純粋数学であるだろうし、交換可能性の高さから、「対象」を選択して、適切な方法を選択し、場合によっては、道具としての数学を改変し、適応していくのが応用数学であろう。こちら側は、機械的に操作可能であり、コンピュータの得意分野でもある。

また、数学という概念には、少なくとも2層の概念(垂直的な方向性)の重ね合わせからできている。

表層部は、操作主体・認識主体とは切り離せない「知的・論理的・理論的思考」としての側面であり、深層部は、「対象」と切り離せない側面である。

抽出−数学−適応
操作主体・認識主体−数学−対象

この2重の直交する3者の関係をもって、数学が数学足り得るとするならば、操作主体・認識主体が消え去った場合、なにが残るであろうか?(操作主体が消え去る故、コンピュータも消え去るということ)

抽出−数学−適応

は、操作主体・認識主体が消え去ると、消え去るであろう。
であれば、残るのは、
(数学)−対象
という部分だけである。
(数学)としたのは、2重の直交する3者の関係が保ち得ない状況では、もはや数学とは呼べないので、カッコ付きにした。
では、(数学)とは、いったい何なのだろうか?

それこそが
数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。1。。。に書きつづった(対象が内在している)「共通する何らかの制約・制限」である。
※06/08/21 18:40追加
端的に言えば、「状報」である。すなわち、「共通する」=「交換可能な」状報になる。後述しているが、これに対して、「交換不可能なもの」が、「情」を含む、本来的な「情報」になるだろう。。。


知が「わたし」の一部であり、その(形而上学的・幻想的に共有可能な故に、他者との)交換可能性が高いということ。

と。。。

数学が「対象」の一部(共通部分として抜き出しうる抽象概念)であり、その抽象性の高さ故、交換可能性が高いということ(たとえば、平行線公理が交換可能な世界としてのユークリッド空間を想定すれば、その公理を用いた数学的記述が、その世界全体に適応可能だということ)
もしくは、
言葉・記号が「対象」の一部(共通部分として抜き出しうる抽象概念)であり、その抽象性の高さ故、交換可能性が高いということ

と。。。

この両者の重ね合わせがある故に、数学は数学として存続し、○○学は○○学として存続しうるわけである。そうして、それら諸概念は、「全体」の中の「知的切断面」であり、「情」(など)と直交する。。。

※(数学)-対象についての補足。。。06/08/16 07:22追加
これは、化学式におけるH-O-とか、H-C-とか、H-N-とかに相当する
すなわち、たとえば対象が水素である場合、(X)-Hになる。
化学結合という概念での「共通する何らかの制約・制限」とは、すなわち(X)部に、化学結合という概念で交換可能な原子・分子を付け替えることのできるときに示すH(水素原子)の性質そのものである。

以下、順を追って抽象化していく。

この(X)の部分に(数学)を入れたときには(数学)-Hとなる。さらに、(数学)-Oとか、(数学)-Cとか、が可能である。(数学)-Nとかいった概念が想定されうるとき、(すでに、原子という恣意的な選択が為されていることに注意)、「原子に共通する何らかの制約・制限」として抽出可能な(恣意的に)数学的な「もの」が(数学)になる。

※07.01.13 08:45補足
たとえば、(数学)-Hにて「1」、(数学)-Oにて「-2」は、共有結合するときに与える(あるいは受け取る)最外殻の電子数に相当する。言い換えれば、H+、O2- であり、
OH-
とか、
H+ + OH- ⇔ H2O
といった化学式相当になるわけです。
※補足説明終わり

(数学)を(X)に戻し、化学結合という概念に縛られず、一般的な概念とすれば、(X)-Hとか、(X)-Oとか、(X)-Nとかは、(すでに、原子という恣意的な選択が為されていることに注意)、「原子に共通する何らかの制約・制限」として抽出可能な「もの」になる。(化学結合的とか数学的だという恣意性は排除されているが、それら複数の○○的という概念が「多義図形」のごとく重なり合っている状態になる)

さらに、「すでに、原子という恣意的な選択が為されていることに注意」という恣意性を排除した場合、すなわち、(X)-対象と一般化した場合が、数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。1。。。になる。

さて、(X)として記述した(例えば水素原子)が有している「共通する何らかの制約・制限」は、認識主体の存在とは関わりなく「ある」と言わざるを得ない。

これは、ある意味、アフォーダンス理論にも通じるものがあるが、アフォーダンス理論の場合、「意味の伝達」とか「情報の伝達」といった概念で語られる場合が多く、「意味」および「情報」についての定義が不十分な場合に、アフォーダンス理論は誤解を招きうる。本来ならば、「意味」とか「情報」とかではなく、たとえば(X)として記述すべきものである。
更に言えば、「情報」は「状報」にすべきである。特に、アフォーダンス理論が扱うのは、所変(客体印象識)である「状報」であって、能変(主体思量識)である「情報」ではない。

この(X)は、関係性ともいえるため、たとえば、「両手を打ち合わせたときに音の出所はどちらの手か」といった概念における「関係性」に相当する。

アフォーダンス理論は、認識主体の側を強調しすぎた従来の考え方に対して、対象の側を強調しすぎる嫌いがある。

どちら側に「主体」があるわけではない。「認識」と「存在」との関係の間に(X)が立ち現れるのである。

by kisugi_jinen | 2006-08-16 05:32 | 思考。。。 | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from 来生自然の。。。 at 2007-01-13 03:33
タイトル : 数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。..
数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。1。。。 数学は認識主体から独立して存在可能か。。。というより。。。2。。。 の続きである。 しかし、単に続きではない。パート2では、既に「数学」という概念を、哲学的思考対象(主として、その一分野としての科学的思考対象)として、様々なものに置き換えて思考可能なことを示した。 実際のところ、「数学」を「こころ・情」に置き換えて読み返してみて欲しい。 ほとんどの部分が当てはまりうるのではないだろうか? 「わたし」 - 「ここ...... more
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「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。

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