AX
乗り越えられたことと。。。乗り越えられなかったことと。。。
4歳の息子が
「象の目玉を持ち帰ってきた」
と、電話を受けた。

いや、正確に言えば、木のブロックでできたパズルの部品なのだが、妻と友人と息子が昼食を食べた喫茶店においてあったパズルの部品を、息子が勝手に持ち帰ってきたのだという。。。

最初、「誰かに貰った」とか何とか言っていたようだが、問い詰めると「勝手に持ち帰った」ことが判明したという。

ちょうど、帰省のために夏休みをとる前日の夕方の出来事だった。。。

夕方の会議終了後、仕事はいつもの如く夜中に片付けるつもりで自宅へと飛んで帰った。
夕食の準備で忙しい妻は、喫茶店への電話がつながらないと、ぼやいていた。

「少し遠いし、帰省後返しにいくのでもいいかもしれない」

と、妻がいうのを押し切り、息子を連れて家を出た。

車や自転車で行くべき距離なので、タクシーの利用も考えた。

。。。

歩くことにした。。。

二人で手を繋いで歩きながら、
私:「なぜ、勝手に持ち帰ったんだい?」
息子:「わかんない。。。んーと。。。夢を見ていたみたいな感じ」

ちょうど、警察署の前を通るところだったので。。。
私:「ほら、警察だよ。勝手に物を持ち帰ったら、ドロボウだよ。警察官につかまって、連れて行かれちゃうんだよ」
息子:「。。。でもねぇ。。。夢を見ていたみたいな感じだったんだよ。。。」

私:「夢?、夢の中でも悪いことをしたらだめなんだよ」
息子:「。。。うん。。。分かった。。。」

と、そんな取りとめも無い会話をしながら、手を繋いで15分位歩いたころ、
息子:「お腹が痛い。。。」
私:「歩けない?」
息子:「うん。。。」
というので、おぶって行きました。

店の近くに来たとき、「歩ける?店がどこにあるのか知らないから教えて」と聞くと「うん」と答えて店を探し出してくれました。

昼間と夜の営業の合間に休みがあるお店のようで、電話がつながらなかったようでした。
店につくまでの間に、妻が電話をしてくれていたので、

私:「すみません。お昼に息子がパズルの部品を勝手に持ち帰ってしまったようで、申し訳ございませんでした」
というと、
店員:「あ!、はい。。。電話で連絡のあったかたですね?」
と、すぐに察してくれた。
息子に部品を手渡して
私:「ほら、ごめんなさいっていって返すんだよ」
息子:「ごめんなさい!」
と、素直に返し、さっぱりした表情で帰路に着きました。

帰りはバスが近くを通っているのが分かったので、バスで帰りました。

実を言えば、この事件が起こる数日前に、数件の小さな事件があったのを、帰路のバスの中で思い返していました。

すべてが「善悪」の区別と、その行為に対する自身の対応の仕方が良く分からない状態に落ち込んでいるかのごとくに思える事件でした。

一つの事件は、私が日曜大工をしていて相手をしてやれなかったときに、釘抜きでタンスに傷をつけてしまったというものでした。

掴まり立ちができて、ようやく伝い歩きが出来るようになった妹:○○がいるのですが、
息子:「○○がコンコンしてた」
と嘘をついてきたので
私:「どれを使ってコンコンしたの」
息子:「えーっと。。。赤いの。。。」
私:「これ?」と釘抜きを示すと
息子:「うん、そうだよ。。。」
私:「でも、○○ちゃんだったら、こんなに高いところ、コンコン出来ないよ」
息子:「。。。」
私:「お父さんがしたのかもしれないね」
というと、
息子:「うん、そうだよ、おとうさんがしたんだよ」
と言って来たので、
私:「お父さんじゃぁ無いかもしれないね。。。誰がやったのか知っているのなら、伝えてくれる?。。。その人に、『お父さんは怒らないから、言いに行くように』って言ってくれる?」
と何度が言い、耳元で「誰がやったのか教えて」と言っても、ぐずぐずしていたので、
私:「□□君がやったんじゃあないの?」
と、とうとう、息子の名前を出しました。
息子:「。。。うん。。。」
私:「ごめんなさい、は?」
息子:「ごめんなさい。。。」
私:「○○ちゃんのせいにしたら、○○ちゃんがかわいそうでしょ。分かる?」とか、
私:「タンスに付いた傷は、ずーっと残るんだよ。消えないんだよ」とかいうと、
息子:「やだ。。。」
と、泣き出してしまいました。

と。。。少し端折っていますが、そんなこんな事件の背景には、「怒られるのが嫌だ」といった気持ちと「悪いこと」といった気持ちのせめぎ合いの中にて、自身を捉えることの揺らぎが見て取れるようでした。

「悪いことは悪い」と叱ってしまう事は、それで正しいのでしょうし、「分からない」状態では教えて行くべき事柄になるのかもしれません。。。これは、「知的切断」になります。

でも、その背景にある「感情」にまで踏込んで、「どうして、悪いんだろう?」というところを、なるべく話して行きたいと思っています。。。これは、「乗り越える情」になるでしょうか?。。。

これから、どうなることやら。。。
[PR]
by kisugi_jinen | 2006-08-06 07:00 | つれづれ。。。 | Comments(0)
<< 民営化のツケと伝言ゲームと。。。 出会い。。。3。。。心と魂と。... >>



「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
検索
カテゴリ
最新の記事
お知らせとリンク。。。
お知らせ
●コメントスパム対策のため、承認制に変更しました(2010.09.29)
●トラックバックのリンクチェック機能を追加しました。excite以外からのトラックバックをされる場合、当該記事へのリンクを埋め込んでください。
リンク
ゲストブック
---全体的なコメント等は、こちらへどうぞ。。。
来生自然のホームページ
---私の知の思想史。。。
鉄鼠
---「考える」ということに向き合う。。。
Genxx.blog
移転後http://blog.genxx.com/
---「情」を含めて専門的な立場から「こころ」を模索し続けるGenさんのブログ。。。
研幾堂
---山下裕嗣氏による哲学のサイト。以前、形而上学についてやりとりさせていただいた。
記事ランキング
最新のコメント
Kandomonmasa..
by kisugi_jinen at 01:29
Kandomonmasa..
by kisugi_jinen at 03:51
kisugi_jinen..
by Kandomonmasa at 14:28
> SumioBabaさ..
by kisugi_jinen at 10:41
「神」を完全に解明しまし..
by SumioBaba at 05:06
最新のトラックバック
venuspoor.com
from venuspoor.com
venushack.com
from venushack.com
whilelimitle..
from whilelimitless..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
以前の記事
フォロー中のブログ
外部リンク
ブログパーツ
ライフログ
ファン
ブログジャンル
画像一覧