AX
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その7。。。
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その6。。。

帰宅後、ほとんど夜食同然の時間に夕飯を温めて食べながら、録画分を見た。
帰宅直前に携帯端末から下記のメッセージを投稿しておいた。
===
ようやく残務を終えた。。。
限られた人生の
限られた時間を
精一杯生きて欲しいと
青春真っ只中の
私の息子に重ねつつ
帰宅後に夕飯を温めて
録画を見ることとしよう。。。
自身の人生からは
大きく離れることは出来ないものの
世代を重ねることで
変わっていく世の中。。。
過去の思い出を離さず
未来を変えていけるのは
魂を持つ者たちの意思
たとえクローンであったとしても。。。
===

今回は、担当の方が遅くまで更新しておられたようで、既に掲載されている。
ありがたいことである。

遅い(?)風呂に入り、火照りの収まるのを待つ間に、こちらへのこの投稿を書いている。

ネット検索したところ、原作者の執筆背景が詳しく記載されているところを見つけた。


http://www.kaz-ohno.com/special/kazuoishiguro.html

国際ジャーナリスト 大野和基 オフィシャルサイト
月刊文学界 2006年8月号
カズオ・イシグロ/Kazuo Ishiguro
『わたしを離さないで』 そして村上春樹のこと

彼にとって、物語の背景にクローンを選んだのは、それほど重要なことではないようだ。
運命の中で生きていくという状況を設定するのに、3度目の試行錯誤の結果、「当時、これこそジグソーパズルの最後のピースだと突然頭にひらめいた」という。
物語の本質は、限られた状況の中でどう生きるのか? 知らないことを徐々に知っていく子供時代の過程 という、極身近なことなのに、大人になると忘れてしまいがちなことを上手く扱えるような環境・設定が必要だったとのこと。

そういった視点で描かれたと分かれば、全てに納得がいく。。。というわけにはいかない。

作者の視点と読者の視点は、作品にて交錯するのは当然なのだが、同一方向からの視線には、決してならない。
いや、多義図形的に多面的な読み方・読まれ方が為される方が、作品としての深みがあるのだと思っている。

物語の背景に「最後のピース」としてクローンを選択したとき、そうして、外部との間の境界線として選択したときに、この物語の奥深さが決定したともいえる。

とくに臓器移植とクローンの問題は、ES細胞、ips細胞に代表される現代の先端医療とも深く関わっている。

どんな形をとったにせよ、物語の中で、「強力な境界線」を描いたのである。

イシグロ氏は、クローン・臓器移植という軸足をバックグラウンドとしてしか扱わなかったためか、社会との直接な対立は後半に語りとして滑り込ませる程度で終わらせているが、日本でのドラマ化においては「真実(まなみ、)」や、警官・刑事、および役所・病院の事務職員を通して、「決まっていること」の理由は伏せたまま、得体のしれない権力として、描出している。
「真実(まなみ)」が引用した日本国憲法第13条、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」も、クローンに対する生命としての概念がどうなっているのか?にて、解釈が大きく変わり得る。
少なくとも、(極端な側の)キリスト教的な思索が可能な環境であるなら、クローンは「魂すら持ちえない」ゆえに、生まれながらにして国民とはなりえない。したがって「個人として尊重されえない」。選挙権もなく、墓もなく、「公共の福祉」の目的の為に作り出され、解体される。
しかしながら、イギリス等のキリスト教圏とは異なる日本という国にて、どのような解釈がなされれば、クローンをゾンビ同等の存在としてみなし得るのであろうか?

日本社会において、原作における最終章と、ドラマの最終章との整合性をとりつつ、上記の「権力」との整合性を違和感なく合わせることは、本質的に無理があると思っているのだが、はたして視聴者が受け入れられるような終わり方ができるのであろうか?

。。。と、火照りもすっかりさめてしまった。
3時間程度ぐっすりと眠ったら、やり残している仕事を片付けて、午後からは研修会に参加となる。
[PR]
by kisugi_jinen | 2016-02-27 05:08 | つれづれ。。。 | Trackback(1) | Comments(0)
トラックバックURL : http://jinen.exblog.jp/tb/25408718
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 来生自然の。。。 at 2016-02-28 07:54
タイトル : わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。..
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その7。。。 上記の「その7」でも触れたが、物語の背景設定が特殊であり、イシグロ氏がクローンに設定上与えなければならなかった自由度との間には、些細なトラブルが発生しただけでも崩れ去りそうな感がある。 例えば、今回のドラマに取り入れられた集団での抗議行動である。そのような行動すら無意味に扱われうるほどの隔離性を、この物語のバックグラウンドには前提条件として組み入れられている。 イシグロ氏の原本では、クローンに対し人間の心に沸き起こる「蜘...... more
<< わたしを離さないで。。。Nev... わたしを離さないで。。。Nev... >>



「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索
カテゴリ
最新の記事
お知らせとリンク。。。
お知らせ
●コメントスパム対策のため、承認制に変更しました(2010.09.29)
●トラックバックのリンクチェック機能を追加しました。excite以外からのトラックバックをされる場合、当該記事へのリンクを埋め込んでください。
リンク
ゲストブック
---全体的なコメント等は、こちらへどうぞ。。。
来生自然のホームページ
---私の知の思想史。。。
鉄鼠
---「考える」ということに向き合う。。。
Genxx.blog
移転後http://blog.genxx.com/
---「情」を含めて専門的な立場から「こころ」を模索し続けるGenさんのブログ。。。
研幾堂
---山下裕嗣氏による哲学のサイト。以前、形而上学についてやりとりさせていただいた。
記事ランキング
最新のコメント
Kandomonmasa..
by kisugi_jinen at 01:29
Kandomonmasa..
by kisugi_jinen at 03:51
kisugi_jinen..
by Kandomonmasa at 14:28
> SumioBabaさ..
by kisugi_jinen at 10:41
「神」を完全に解明しまし..
by SumioBaba at 05:06
最新のトラックバック
究極の人工知能。。。ショ..
from 来生自然の。。。
所詮ゲーム、背景を勘ぐる..
from 来生自然の。。。
シン・ゴジラと所信表明演..
from 来生自然の。。。
ポケモンGOのお台場騒動..
from 来生自然の。。。
シン・ゴジラ。。。
from 来生自然の。。。
以前の記事
フォロー中のブログ
外部リンク
ブログパーツ
ライフログ
ファン
ブログジャンル
画像一覧