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わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その2。。。
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。ドラマ。。。

おそらくは、少なくとも二通りの見方が存在するのだろうと思っている。

一方は、クローン人間として生まれてきても「同じ人間だ!」と共感し続ける人々。。。
他方は、(ドラマレベルでは共感するかもしれないが)実際にクローン人間が近づいて来たら、排除してしまうかもしれない人々。。。

世の中、「差別はダメだ!」と叫ぶ人々が多いにもかかわらず、ありとあらゆる場面で、差別的な言動や態度が見え隠れし、決して排除しえないであろうことは、どれだけ高潔な方であろうとも、認めざるを得ないだろう。

このドラマに深く感情移入してしまう人や、逆に嫌悪感を抱く人、あるいは大したドラマではないと思ってしまう人がいたとしたら、そういった二面性を常に意識しながら、このドラマを最初から見直してみるべきだろう。

老人介護現場での老人と介護士との関係で生じうる諸問題、ヘイトスピーチ問題、民族的な意識の強さに基づいた相手国・国民への誹謗中傷行為、テロを正当化する宗教概念と空爆を養護する思想背景、あらゆる問題の核心が、この物語の背景には隠されているように思えてならない。

全員が排除しようとする時、たった一人でも受け入れようとする人がいる限り、その「寄り添いたい」という心情を踏みにじることは許されるのであろうか?

全員から排除されようとしている時、誰かに助けを求めようとする心情を踏みにじることが許されるのであろうか?

「わたしを離さないで」
そこに、心情的・知的・策略的・謀略的な意図が見え隠れしたとしても、気が付かないふりをして、そっと寄り添ってあげることができるのであろうか?

Never Let Me Go!
Could you stay in a calm frame of mind with the person who might not be so innocent but sometimes malicious ?

クローンを交換可能な物質と見ることが前提のありえない世界を想定した、ありえない物語と考えることなく、
また、クローン、いや人間ですら、交換可能な物質でしかないと見做したがるが故に、大した物語ではないと思うこともなく、二面性を担保しつつ、考え続けるべきなのだろう。

また、そう考え続けようとすることで、どちらかに偏りかけたときにも、自身の思いに寄り添い続けることができるのではないのだろうか?

Can you keep thinking within double standards without leaving yourself ?
by kisugi_jinen | 2016-02-17 23:10 | つれづれ。。。 | Trackback(2) | Comments(0)
Tracked from 来生自然の。。。 at 2016-02-19 00:41
タイトル : わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。..
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その2。。。 このドラマを見ていると、なぜだかバウムクーヘンを思い描いてしまう。 食べたくなるというのではなく、その層構造を思い描いてしまうということである。 ドラマが扱っているクローン人間を「外部」から分かつモノ。 一言で言い表すのなら、「交換可能性と不可能性」という言葉になる。 彼らがアイデンティティ、すなわち独立した魂を持つ、「何人とも交換不可能な個人」という概念は、ドラマの設定上、「外部」からは全否定されていると見る...... more
Tracked from 来生自然の。。。 at 2016-03-06 06:46
タイトル : わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。..
わたしを離さないで。。。Never Let Me Go。。。その10。。。 交換可能性と不可能性。。。 美和は人とクローンの間を生きたといえる。 美和は美和であり、恭子は恭子である。 「恭子になりたかった」という言葉の裏には、 「(魂の認められないクローンではなく、)人になりたかった」という切実な言葉が隠されていると同時に 「美和というアイデンティティの本質を見失う寸前だった」ところを、自らの言葉で回復することを意味している。 アイデンティティという交換不可能な魂の...... more
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「ともし火に我もむかはず燈(ともしび)もわれにむかはず己がまにまに」(光厳院) --- 厳然とした境界を越え得ぬとき、その上でなお、越えうるものがあるとすれば、それは「情」である。

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